14世紀〜17世紀に使われた両手用の巨大な長剣。
クラゼヴォ・モルというスコットランド・ゲール語の「巨大な剣」が語源で、元々はスコットランド高地のハイランダーが主に使っていた剣です。
120cmくらいが主流とツヴァイハンダーに比べて小ぶりで、切れ味が鋭いのが特徴です。
長いもので180cmくらい。
例のごとくこの剣も西欧に持ち込まれます。
クレイモアは最も美しい両手剣とも言われ、様々な装飾が施された美術刀剣としての価値も高いものが多数現存しています。
鍛冶技術の発達と共に武器としての機能、そして芸術性も洗練されていき、騎士のステータスシンボルとして扱われるようになっていきます。
高貴なる剣は高貴なる者の証として、騎士や貴族はこぞって名剣を求めました。
剣は騎士の象徴であり、死と栄光、名誉と忠節、そういった理念を体現するものなんですね。
銃の活躍し始める16世紀にもなると本来の人を攻撃する為の道具としての意味をほとんど失い、象徴としての色が強くなっていきます。
クレイモアは剣の時代が終わっても儀礼用として作られ、また代々の当主に引き継がれて行く事になります。
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