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亡国の剣 カッツバルゲル |
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ドイツ騎士修道会(ドイツ騎士団)が15世紀後期に使用していた両刃の片手剣。 60cm〜90cmくらいと短めですが、身幅があって重たい剣で、重量に任せて鎧の上から殴る棍棒みたいな使い方をする剣です。 とはいえ、カッツバルゲルは武器としてはあまり使われなかったらしい。 この頃はすでに銃の時代に変わりつつあるので、あくまで騎士修道会のステータスとして帯剣されていました。 ドイツ騎士修道会とは騎士と修道僧の側面を持った、ゲーム等のファンタジー世界における聖騎士団ともとれる騎士団です。 テンプル騎士団や聖ヨハネ騎士団なども有名ですね。 ドイツ騎士修道会は12世紀にエルサレムに開設されたドイツ館という病院から始まったんですが、キリスト教勢力の後退によってエルサレムからは撤退し、異教徒に対する尖兵として戦う事になります。 そしてバルト海近辺を十字軍の名目でキリスト教化(征服)する勅命を神聖ローマ帝国の皇帝から得て、周辺のキリスト教化と共にドイツ騎士修道会は様々な戦いの後に小さな騎士団国家を築くまでに至ります。 しかし領主のハンガリー王はこの動きに激怒し、教皇の命令を無視して国内からドイツ騎士修道会を追放。 本拠地を失った騎士修道会はプロイセンに安住の地を求め、50年以上の戦いの後にプロイセン地方に本拠地を移して小さな国家を存続させていきます。 その後は順調に領土を広げ14世紀頃にドイツ騎士修道会の最盛期を迎えますが、後期になると専権的な騎士団の支配は地方領主などの反感を買うようになり、ポーランド・リトアニア連合に大敗を喫して15世紀後期にはポーランド王に服従し、ドイツ騎士修道会は1525年に消滅を迎える事になります。 カッツバルゲルはドイツ騎士修道会末期に生産された剣です。 そして剣はドイツ騎士修道会が歴史から姿を消すと共に、役目を終えたかの様に姿を消していくのです。 これはドイツ騎士修道会が使わなくなったからではなく、戦場の武器が銃に変わっていく時代の流れなんですが、命運を共にしてるようで儚い気持ちになりますね。 | ||
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