17世紀頃に使われた、幅広で両刃の片手剣。
幅広と言ってもこれは同時代に使われたレイピアに比べてという意味で、形状は廃れた筈の騎士剣(ショートソード&ロングソード)とほとんど同じです。
違いは護拳が付いてるくらいでしょうか。
銃器の急速な発展によって重い鎧、重い剣が戦場から姿を消し、兵士は銃弾の飛び交う戦場で素早く動ける様に軽装になりました。
剣はこれまで鎧を追って進化し、徐々に重くなり次には隙間を狙う細身の剣になりましたが、銃火気の発明によって重鎧が廃れ、剣は元の形に戻ったんですね。
銃全盛の時代に剣なんか使えたのかと思えますが、この頃はまだ火縄銃に毛が生えた程度の銃です。
日本では信長が16世紀末の長篠の戦い前後に3段打ちという戦術を開発しましたが、ヨーロッパでその戦術が使われ始めるのがその120年後。
戦国時代後期くらいの感覚で見てもらえばいいと思います。
まあこの後江戸時代の太平の世で戦術があんまり変わっていかない日本に比べ、ヨーロッパは幕末くらいの戦い方に急速に発展していく訳なんですが。
剣が元に戻っても銃の発明は戦場の軍事バランスを完全に崩してしまいました。
銃はその強力な武器を誰でも簡単に使えてしまう事に恐ろしさがあり、戦いは銃を携えた職業軍人の領分となって、騎士は戦場から姿を消します。
ファンタジー世界は中世ヨーロッパだけが舞台ではなく、近世だったりSFだったり魔法が発展して現代より高度な文明が築かれてる世界など様々ですが、中世ヨーロッパ的なファンタジー世界に火縄銃ならともかく近代的な銃が登場してしまうのは個人的にはよくないと思いますね。
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